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インターネットの世界は時間差が少なくなり温故知新が容易に起きるのか

http://www.flickr.com/photos/25516351@N04/4621251358

photo by Johnny does

インターネットの世界では温故知新が容易に起き得るのだろうか

 

インターネットの世界での人との交流において、ある決定的な特徴があると思う。
それは匿名性だろう。匿名性があるから、インターネットの世界では普段は交わることの無い世代間での素直なやり取りが行われるのだと思う。インターネットの匿名性は、しばしば犯罪の温床であるとか、誹謗中傷を加速させるものだとか非難の的になることもある。もちろんそれは普段、リアルの世界において、世代間を越えた交流が無いという事ではない。当然に違う世代間で社会の中で関わり合うのが通常だろう。
インターネット上での交流がリアルの世界と違う点は、みんなが匿名であり知らずに世代間の交流をしている点だと思う。匿名であるがゆえにそこでは知る必要も無い年齢の違いに対して身構える事もなく、相手に対してのバイアスを持たずに、自分と対等で同等な立場としてその意見や反応を新鮮に、そして素直な驚きをもって吸収できるのではないかと思う。面と向かって自分より年長者にアドバイスをされると、人にもよるとは思うのだが、多少の反発心が生まれたり時代の差を考慮してしまったりするのだと思う。

しかし、同世代の意見や考え方というのは、どうしてもある程度は同じベースのものを持っていて、例えばそこから新鮮な意見を吸収しようとしてもその同世代を対象にした新鮮な意見になりがちではないのだろうかと思うのだ。
新鮮な意見、クリエイティビティとも言えるのかもしれないが、別の世代の意見や考え方、経験というのは別のベースの部分を持っていて、そこから得られるものは同世代からは得られないものがあるのではないだろうか。

巷の動画配信交流サイト、日本ならニコニコ動画、海外だとTwitchや中国のBilibili動画などもあるが、そういったリアルタイムで大勢の世代の異なる人間が匿名で交流しあうと、知らずのうちに別々の世代間の思考や趣向などを学習し、影響しあうことが面白いと思うのだ。如何にインターネットが匿名で相互交流する世界だといっても、ゆっくりとしたインターバルのある掲示板などではそういった効果は小さいと思う。やはり矢継ぎ早にコメントの流れる環境でこそ無意識に別の世代間が混ざり合う気がするのだ。

そして、そうしたコミュニティの中で、一つ面白い現象に気づくのだ。

20代前半場合によっては、もっと若いような世代で何故こんな時代の情報を知っているのかという人物がしばしば存在するのだ。
例えば、古いレトロなゲームに詳しい若者や古いアニメに詳しい人間など世代から少し外れた情報に詳しい人間がいるのだ。

今まで現代の消費社会では消費サイクルが早すぎて割りと良い製作物でもあっという間に埋もれてしまってヒット商品を生み出しにくいのではと今まで思っていて、そして消費しつくしていく使い捨ての社会だと思っていたのだけれど、実はちょっと違うのではないかと思うようになったのだ。

古い世代のビッグキーワードである作品は掘り起こされる

インターネット上に違法か合法かは今は置いておいて、さまざまなメディアの作品がある、それはドラマでもアニメでも何でもいいのだが、現代の流れに飽きて少し目をやるとそこに古い作品群もあるのだ。そして、見てみると結構面白かったりする。
今の20そこそこの世代が、意外とらんま2分の1やセイントセイヤなどの古いアニメの話題についてくるのが面白い。最近新シリーズが始まったドラゴンボールもそうだけれど、ネット上にはいつまでも時代差など関係なくアーカイブとして蓄積されて、何度も視聴されていくのだ、さらに次の世代へと。

製作物はロングテールな検索キーワードになるのか

ほぼ永久に残り何度も何度も何かの創造のために使われるというのは、インターネットの怖いところでもあるが(何かのスキャンダルや事件に関して)、製作物は一見、どんどんと使い捨てのように消費されるように見えても、アーカイブとしては半永久に残っていくのだなと最近思うようになった。

別々の世代のヒット作品というのは、時代背景やそのときのトレンドにマッチしたりしてヒットしていると思うのだが、そうした同時代には通常、存在しないものが同時に様々に存在し、しかも世代を関係なく消費されているネットはとても興味深いと思う。

そして中国の内装業者の事を少し思い出したのだ

中国はマンションの部屋をスケルトンで買って自分で業者を手配して、内装をするのが一般的なのだけれど、その内装の流行が、日本から見ると同じ時代では無いものが並存している感じに見えるのだ。どういう事かと言うと、経済成長期にすでにネット社会であった中国では同時に色々な情報が入ったせいだと思うのだが、日本のバブル期の成金のような内装があって、かと思えば最近の日本のようにナチュラルなテイストの現代風の内装があったり、アメリカのトレンディドラマのような内装を好む人もいたりするのだ。つまりネットで時間感覚無しに情報を摂取するとこういう状態になるのかと感じたのだ。色々な時代のものが並存する世界は面白い。

今の小中高校生の中から色々な世代を超えたトレンドや思考を吸収し、何か面白いものをつくりだす人間が、将来表れそうな気がするのだ。